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第14話

「瑛人?」 不機嫌そうに葉月が呟き、隠すみたいに俺の前に立った。 「あぁ。アンタが元彼? でも触んなよ。もう俺のもんだから。」 「な……」 何を言ってやがる。この男。 「何、悔しそうな顔してんの? お前が振ったんだろ?」 「お、おい。葉月!」 こんな喧嘩ごしな葉月、初めて見る。 「歩さん、本当にこの人と……」 肩を掴まれたら、葉月がその手を払った。 「触るなって言ってんだろ!」 手を引かれ、アゴを上げられる。 「ん……!」 唇が重なった。 ま、町中でキス……! 「葉月!馬鹿!お前……」 「だって腹立つ。」 「腹立つでキスする奴があるか!」 「歩は……」 葉月は何か言いかけてやめる。 なんか。 ヤキモチ……みたい…… 「来て。」 強引に引かれた手。 何か言いたげな瑛人を残し、その場を後にした。

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