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04.(完)
「ぅ、ん……っ」
公園内にあるベンチに座り、二人は再び深いキスを交わしていた。鷹博にはトイレに連れて行かれそうになったのだが優が我慢できなかったのだ。鷹博は誰かに見られることを心配したが、今の優にはどうでもよかったし、こんな夜遅くに誰かがいたとしても顔までは見られないだろうとたかをくくった。
「君の可愛い顔見るたびに僕……おかしくなりそうだ」
「か、可愛いとかいうなバカっ!」
「……ここ、さわってもいい?」
「……う……」
すでにふくれあがった性器に視線を落とされて、優は顔を真っ赤にする。頷くことも首を横に振ることもできずただ期待していると、鷹博のきれいな指が優のスラックスのチャックをおろす。どきどきとして、心臓が破れそうだ。
優の性器に鷹博の手がふれると、全身がびくりと動いた。鷹博はかまうことなく性器をにぎり、扱き始める。
「ぁ、あ」
他人にされたことのない優は、鷹博にしてもらっているという事実だけですぐに達してしまいそうだった。けれどぐっとこらえて、息を吐く。
あのクソ真面目な鷹博がどんな顔をしているのかとチラリと覗くと、目が合った。
「み、見るな、よ」
鷹博は何も答えず目を細めただけだった。童貞のくせに、こんな気持ちのいい手をしているなんてずるい。ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てながら優の呼吸は切羽詰っていく。
「気持ちいいのか?」
「う、うるさい」
鷹博が耳元で囁くせいであっという間に駆け上っていく。
「ちょ、もう、イクから、いいっ」
「……っ、可愛い」
「言うな、って、クソ……っ、あ――っ」
びくんと腰を跳ねらせ、優は達していた。とろりとした精液が鷹博の手を汚した。
「はぁ……あ……ぅ」
「で、どうなんだよ」
「……何が?」
「か、家庭教師」
「ああ。普通の人だよ。遠野くんが考えてるような人じゃない」
「なっ!」
何も言っていないのに、わかっていたのだろうか。それならもっと、不安にさせない言葉くらいくれたっていいのに。
「僕、ちゃんと遠野くんのこと好きだから」
「……わ、わかってっけどさ」
「本当に……? でも、心配だよ。君は夜遅くまで遊んでいるみたいだし」
「えっ」
「知らないとでも思った? だから君が僕を選ぶ理由なんか無いだろうといつも……」
「……う。で、でもあれは友達だし!」
「なら、お互い様だろう?」
負けた。
あんなに不安がっていた奴の見たことのない笑顔なんか見せられたら、なにも言えなくなるに決まっている。
終
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