13 / 21
Ⅱ 奪い愛、夏④
「京太、見ーっけ♪」
「縣~」
あと10秒遅かったら俺、泣いてた。
あれから何人のお客さんが、悲鳴を上げて走り去っていった事か~
「お化けになるなんて斬新だな」
そうじゃなくってね。
……縣が起こしてくれない。
自分で起き上がれって事か。
でも。お前がどいてくれないと、起きられないんだけど~?
「ほら、早く」
「なに?」
「ここ、早く♪」
つんつん
指先で自分の鎖骨あたりを押している。
首痛いのか?助けてくれたんだから、揉むくらいしてやるよ。
起き上がれないから、そこどいて。
「噛んで」
「なんで?」
揉んでの間違いだろ、縣
「吸血鬼なんだから、な♪」
そういう事かー★
噛まんわー!
うぅっ、ニッコニコ満面の笑みの縣が俺の上に乗っかっている。
うぅっ、こいつをどかすには噛むしかない……
覚悟を決めろ、俺
俺は吸血鬼、吸血鬼、吸血鬼~
パクっ
「キャー」
悲鳴が上がった。
えっ、なになに?
お化け出たのっ?
「BLよ♪生BL~♪」
ギャー、お客さんに見られてたーッ
違うっ!断じてBLじゃない!
俺は健全まっとうなノンケ男子だー!エロ競パンと一緒にすんなーッ
あっちではカノジョさんがカレシの肩パンパン叩いてる。
あんたも行ってきなさいよー。って、ちがーうッ。これは、お化けのサービスじゃありません!
「ハァウんっ」
黄色い悲鳴が飛び交うお化け屋敷で、本気の悲鳴を上げたのは俺だった。
股間が食べられたー★
ヌチャっ
生暖かい、柔らかいものに。
競パン越しに、なにかが吸いついてる~
「フゥア」
気持ちイイ~
ハッ!
ダメダメ、流されちゃッ
「先輩ズルいですよ」
「ハン?抜け駆けしたの、お前だろ」
チュウゥゥー
桐生先輩の口が、競パンの上から俺の竿に吸いついているぅ。
ダメぇ、そんなトコロ、はむはむしちゃァ~
膨らんで、はみ出ちゃうゥン~
「らめぇ」
「じゃ、こっちはいいな?」
チュパァッ
「そっちもらめぇー」
足首つかまれて、先輩の肩に担がれて持ち上げられた。
大股開きさせられて、先輩が脚の間に頭を埋めて吸っているソレ
男の大事な双玉~
「タマタマ食べないれぇ~」
「いいなー。じゃ、俺はチョコをいただきまーす」
「ハわンっ」
縣、それはチョコじゃない。
俺の乳首だーッ!
ヒアんっ、乳輪ペロペロしないでー
「チョコ乳首甘いよ、京太♪」
チョコであってなるものか!
……ピンクじゃないけど。
チョコレート色であっても、チョコ乳首じゃない~!
「こっちも感じろよ、橋本」
チュプ
ニュプ
しゃぶるな、縣ッ
吸わないで、先輩ッ
「ハヒィーン!」
本気で絶叫するのは、俺ただ一人
お姉様方、黄色い悲鳴上げないで。
ショーじゃないんだァーッ
ともだちにシェアしよう!