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Ⅲ 競パンHERO's⑥
なんでっ
「スーツの下から競パンが出てくるんだー★」
「橋本、冷静になれ」
「俺達、最初からズボンはいてないぞ」
あ、そっか。
最初から競パンだった。白と黒の。
……白と黒の競パンで、なぜ俺は気づかなかったんだーっ
「そういうところが京太、可愛い♪」
チュッ
耳かじるんじゃない、縣!
「普段から俺のサイズをよく見ておかないから、こうなるんだぞ」
すりすりするな、先輩!
布越しにくっきり分かる性器の形、直視できないだろッ💢
でもなんで、二人がボディーガードになれた訳?
「俺達もヘッドハンティングされたからな」
「京太を鳴かせたの俺達だぞ」
ええーっ、そしたら俺ピンチだ!
俺を公然と喘がせる千載一遇の好機を、この二人が放っておく筈ない。
俺、お化け決定だ~
「賭けは俺達の勝ちだから」
「京太は連れて帰るよ、副社長」
「………へ?」
お化けにならなくていいの?
「俺達が京太の嫌がる事する訳ないだろ」
「橋本が俺達を呼んだら、お前の身柄を俺達が引き取る約束だったんだ」
「えー★」
「まぁ、助けを求めなかったら、京太はお化けになる約束だから。賭けではあったけどね」
「えー♠」
本人の知らないところで、お前達は~
でも助かった。
「恋せよ、若人」
「橋本様、頑張ってくださいね」
「は、はいっ」
副社長と織部さんに返した声が、裏返ってしまった。
「橋本京太、お化けになりたくなったらいつでも来い。牛若PJは君を歓迎する」
「それはないと思うけど~」
「まぁ、夏の楽しみ方は人それぞれだ」
「副社長も夏を楽しんで」
「僕は仕事一筋だ。そんな暇はない」
そう、なんだ……
「おい、競パン野郎共」
「はい」
俺も返事しちゃったけど、副社長が呼び止めたのは白と黒の方だった。
「約束は守った。お前達も約束を違えるな」
夏を楽しめない副社長だけど、唇に浮かべた微笑みは満足げだった。
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