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神様4

「は……初めまして冬雪さま、僕は陽毬と申す、っします。 冬雪様のお世話役です!」  ぎこちなく少年が自己紹介をした。緊張したような期待のこもった眼差しを向けられると冬雪も緊張してしまう。 「ぼ、僕は冬雪っていいますっ、あ、でも、知ってるみたい、だね。 えっと、よろしくね……?」 「はいっ、よろしくお願いします!」  お互い緊張しすぎて声が上擦る。それがおかしくて、顔を見合わせるとお互い吹き出してしまった。 「顔を洗うためのお湯、持ってきたので冷めないうちに使ってください」 「ありがとうございます……」  自分のためにわざわざ湯を持ってきてくれたのかと思うと申し訳なくなったけど、折角なのでありがたく使わせてもらう。  人肌より少し温い湯で顔を洗うと、少しぼんやりとしていた思考もすっきりとしたような気がする。 「これで拭いてください」  差し出された手拭いを受け取って顔を拭くとお礼を告げる。世話役と言われてもやはりひと様の手を煩わせることには抵抗がある。 「冬雪様がこの社に来てくださって僕本当にうれしいんです! 主様はずっと冬雪様が来られるのを心待ちにしていたのできっととても喜んいらっしゃいますよ! 僕、主様が嬉しいと嬉しいんです」  ふふふ、と口に手を当てて陽毬は笑う。ころころと鈴みたいな笑い声に、冬雪はつられたように微笑む。主様というのはきっと朽葉のことだろう。  冬雪の前では殆ど無表情だったけれど、一緒にいるうちに気を許してくれるかもしれない。 「僕を心待ちにしていたって、本当ですか? 失礼な話なんですけど、僕はてっきり食べられるんだとばかり思っていたので、好きに過ごしていいって言われても正直どうしたらいいのか……」

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