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11-3 赤い印
ペロリと唇を舐めたランセルは、俺の膝を持ち上げる。そして、ツプッと後ろに指を潜り込ませた。
「ぁはあ! あぁ…」
「きつい。それに、今日はとても熱い。中、何もしていないのに動いてますよ」
指が俺の後ろを解し始めるだけで、俺の中が蠢いているのを感じている。完全に受け入れる気満々だ。コイツの指がむしろ冷たく感じるくらいだ。
「なっ…こんな…」
流石に反応が違い過ぎて戸惑う。こんなに積極的に絡むのなんて、経験がない。それだけじゃない、腹の奥が熱く痺れ収縮するようにしている。
「ごめんなさい、グラースさん。魔力で広げます。指だけでもう、たまらない」
「好きにしろ」
お前の為だけの体だ、ことわる必要もない。
指が入り口に触れてそこを柔らかくしていく。慣れた感覚に、俺はされるままにしている。その間にもランセルは口で内股に触れている。それにも敏感に反応して、俺も徐々に飲まれていった。
指がずるりと抜け、そこにランセルの物が押し当たる。ゆっくりと入り込むそれを飲み込むだけで、俺の中が締まっていく。吸い付くように締め上げ、吸い上げるように奥へ。その度、焼けるような快楽に俺は喘いだ。
「っ! グラースさん、今日は随分熱烈ですね」
「しる、かぁ! あっつ!」
俺だって困惑している。本当に、今日はそれほどに違っている。何がこれまでと違う。それを考えると、たった一つだ。
薬の色が違う。赤い果実のような色をしていた。
色の濃さは愛情の濃さ。結ばれる、その望みの強さだ。
はっ、孕む気満々だって事か。どこの淫乱だ。望むところだ。
抜けば拒むように離さず、奥へと導くように蠢くそれに、ランセルも息をつく。眉根を寄せるランセルを引き寄せ、俺も腰を浮かせてせがんだ。
「早くしろ…そんな所で出したら無駄うちだ」
「だって、痛みますよ?」
「傷ついたらお前がヒールでもかけろ」
かなりの屈辱だがな、それ。
だが、今更だ。コイツ相手に遠慮も何もあるか。
グッと膝を抱え上げられ、一気に最奥へと打ち込まれる楔に俺の体は浮き上がる。だが、浮き上がったのは体だけじゃない。一気に走った強い刺激に意識も一瞬飛んだ。
内側が痙攣しているように感じる。それと同時に締め上げている。ランセルが震えながらそれに耐え、短く呻くのを聞いた。荒く息をして、ポンと頭に手を置く。
「耐えなくていいだろ…」
「いえ、もう動いたら出そうなんですが」
「俺が動こうか?」
俺はからかうように笑う。コイツが限界なのは、俺だって分かっている。最奥にできた入り口が、吸い付くように絡みついて食らう勢いだ。そんなのは俺が一番分かっているが、どうにか出来るものではない。欲望に忠実な体は、欲しているんだろう。
それにしても、熱い。こいつも俺も、溶けてしまいそうなくらいだ。
ランセルが珍しく締まった顔をする。そしてそのまま俺の奥だけを目指して激しい抽挿を開始した。
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