1 / 12
嘘やん…
***
世は夏休み真っただ中という八月、恋人と夏のホラー特集をビール飲みながら見て、怖いからって一緒に風呂入って、ベッドまで来たら、やることなんてたった一つ。
「悠(ユウ)…。」
「んっ、っ、ん?」
色白でちょっと骨が浮く胸に唇を落としていると肩をたたかれた。
どうしたんだろ?なんか気に入らない事でもあるんだろうか。まぁ、やめてあげないけど。
「おい。」
肩をたたいていた手が頭に回る。
やめないよー。明日は休みだからって誘ったの康太からなんだから。
「おいってばっ」
ついに指が髪の毛を掴んだ。さすがに痛い。
「なんだよ。今日は何言っても止めないって言ってうなづいたのは康太だろ。」
「いや、そうやなくて。」
「だったらなに。トイレ?」
「ちゃうわ!あのな?さっきからリモコン押してんねんけどさ。」
「うん。」
「クーラーつかへん。」
「え。」
ともだちにシェアしよう!