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星の正体
「では、歩様失礼します」
歩の部屋を出た星は王の部屋へと向かい
真の姿に戻った。
「歩に気付かれただろうか。星の姿に
合わせて、声も変えたが」
星は今人間界に降りてある調査をさせて
いる為、歩に読み聞かせをする事は
出来ない。その為、王自ら星の姿に変身して
歩の部屋へ行ったのだ。
「誰かに本を読むのは初めてだった。
あれだけ真面目に聴いていれば星が
毎日読み聞かせを する理由が分かる」
星は毎日の公務の補佐をしている為
多忙だったが、歩が真面目にそして
楽しそうに話を聴く姿を見て、忙しい
合間を縫って読み聞かせをしていた。
「当分は星に変身して、読み聞かせを
しよう。明日は何の本を読もうか」
本棚から明日読む本を選んでいく。
この日を境に歩に読み聞かせをする事が
日課になっていった。
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