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本物の星?

辺りが暗くなると、星がこの部屋に来て 読み聞かせをするが一向に来ない。 今日は忙しいのだろうと思い早めに 寝ようと思った、その時 「歩様、失礼します」 星が本を持って、部屋に来た。歩は 小走りで星の元へ向かい抱き締めた。 「あ、歩様!どうしたのですか」 「ご、ごめんなさい、つい。星が 来てくれたのが嬉しくて」 顔を赤らめた歩は、顔を見られないよう 急いでベッドに戻ろうとしたが自分の 足に躓き、転びそうになった所を 星が支えてくれた。 「歩、大丈夫か?」 「う、うん」 ベッドにつき、いつも通り星が本を 読んでいた。 しかし、歩は気になる事があった。 星が今日歩と名前を呼んだ事だ。 王様の妃だからと、いつも敬語を 使っている為、違和感を覚えたのだ。 「どうかしましたか、歩様?」 「え、いや、何でもないよ。この話 面白いなと思って」 声や雰囲気も星と変わらない為 自分の気のせいだろうと 物語を集中して聴く事にした。

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