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第3話 憂鬱を胸にその部屋を
興味もないって言ったらきっと嘘になる、俺の幼馴染の恋人サトーさん……
そいつとの馴れ初めを嬉しそうに
延々と話している。
他の奴らから飄々としてる、なんて
言われてる俺も好きな奴のノロケ話を延々と聞かされるのは結構コタエルワケデ……
用事があるフリをして、アイツに親友のフリをして
心から祝福しているフリをして……
そうやって自分すらも騙し続けて
胸の憂鬱を隠しその部屋を後にした……
そして今日もまた、
ケータイの履歴から相手を探し
誘い文句を口にする……
この行動の繰り返しに虚しさが増すのは
良く知っている、でも、
蟻地獄のように一度、ハマって仕舞えば
どう足掻いても抜け出せない事を
俺はきっと誰よりも知っている。
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