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「んっ、んぐ…」
初めてする行為に辛くて涙が溢れては零れていく。
それでも必死に舐める。
そんな俺を成海は優しい手つきで頭を撫でてきた。
何でそんなことすんだよ…。
優しくしてんじゃねぇよ…くそ。
そのとき、前触れもなく先から精液がドバっと口に溢れた。
「んぶぁ…ゲホゲホ…!うっ…ぇ」
「ちっ…出すなよ…」
と言いながらも頭を撫でる手は優しいままで。
なんなのこいつ…。
精液で汚れた口を拭ってくれた。
「出ろ」
トイレから出て解放されたことに安堵する。
「お前、ケータイ貸せ…」
無言で貸し出せば、勝手に操作され、アドレスを登録された。
「明日…それで呼び出すから…来いよ」
「嫌だ」
「来い」
「…分かったよ」
俺はコンビニに行くのも失せ、すぐ家に帰った。
枕に顔を埋めれば、堪えてた涙が出てきて気が済むまで泣き続けた。
※ ※ ※
「カズ。大丈夫か?」
「ん、大丈夫」
「そんな感じしねぇけど」
「大丈夫だから」
泣き疲れて目が腫れた。
俺はケータイが鳴るのが怖かった。
女の子たちといることにも気が引けて今日はずっとシオといる。
そんな俺が珍しかったんだろう。
シオを安心させるため笑った。
そんなときにケータイは鳴る。
肩が震えた。
「俺、ちょっと行ってくるわ」
準備教室ばかりで人が来ない校舎のトイレに行くと、ケータイをいじる成海がいた。
「なに、泣いたの」
俺の顔を見ていったんだろう。
俺はわかってるくせにと顔を逸らす。
「ふーん…じゃ、今日は手でいいよ」
個室で手を捕まれ性器に持っていかれた。
他人のそれを触ったのは初めてで。
びっくりして手を離す。
「いいからやれ」
そのまま、握って上下に動かす。
俺が下手なのか、こいつが遅いのか、果てるのに時間をすごく使い、俺の手は痺れてしまった。
「なさけねぇ」
言われたその言葉は聞こえず、また泣いてしまう。
「ひっく…うぅ」
「…泣き虫かよ。悪かった。明日はお前も気持ちよくしてやる」
「い、いらないっ…」
「ちっ…」
それ以上、成海は何も言って来なかった。
逆に目に溜まった涙を吸った。
目元に、額に、キスを落す。
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