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第1話 再会。
『指導係の零だ。』
上司である三十三(みとみ)の隣に立って居るのは、去年一目惚れし二度と会えない筈のあの人だった。
やっと逢えた。。
壱は零に再び逢えた喜びで全身が打ち震えた。
逸る気持ちを抑え、彼に向かって自己紹介をした。
「壱です。零先輩宜しくお願いします。」
そう言って壱は恥ずかしそうにペコリと頭を下げた。
零は信じられないものが目の前に在るかの様に、壱の顔をまじまじと見つめ、彼に向かって尋ねた。
『壱。。お前。去年死んで天国に行った筈だよな?』
「はい。あの後神様にお願いして、死神にならせて頂きました。」
『。。何故?』
零の問い掛けに壱は頬を真っ赤に染めてポツリと呟いた。
「貴方に会いたくて。。」
『。。。』
零は容姿端麗なだけでなく有能な死神として皆に一目置かれている存在だ。
何故彼が有能かと言えば、仕事に対して常に真摯な態度で取り組み、己に厳しく、一切の私情を挟んだ事がないからだ。
彼の仕事振りは神様の耳にまで届く程だった。
だが。。
一度だけ、唯の一度だけ、彼の気持ちが揺らいだ事が有った。
その原因が今、自分の目の前に居る。
零は去年の夏の日に、彼と過ごした3日間を思い出していた。。
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