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第63話

玄関で靴を脱ぐと、すぐに透に抱きかかえられ、そのまま透の部屋へと直行した。 その力強い腕と自分を連れ去る強引さに眩暈を起こしそうだった。 こんな風にされるのが、嬉しくて。 衣服の中で尻から溢れた体液が足首まで流れ落ちてくる。 身体中の其処彼処が早く満たされたいと待ちわびているのだ。 久しぶりに訪れた透の部屋は結空が欲する雄の匂いがした。 茶系のボアシーツで覆われた温かそうなベッドに転がされ透に見下ろされる。 「結空、薬は?」 「財布の中……」 結空がデニムのポケットから財布を抜き、中から薄い小さなビニール包装された避妊薬を取り出した。 「俺がやるよ。貸して」 透がビニールを破ると中にシート状の薬剤が入っていた。 「これ……どうやって使うの?」 透が取り出して結空に尋ねた。 「折り曲げて、その……お尻の中に入れるんだって」 「そっか。俺が入れてあげる」 優し気ににっこり微笑まれ、結空の心臓がどくりと波打った。 透を見ながら結空は指で唇を辿り隙間から指を差し込んで、自分の指に舌を絡める。無意識に透を誘う仕草だった。 「結空……」 ベッドの上、透がゆっくりと結空に覆いかぶさり、鼻先を結空の鼻に近づけて、まるで犬とスキンシップでもとっているかのように鼻先を擦られた。 「ん……」 くすぐったくて少しだけ身を捩る。 透は結空の唇を追いかけるようにして、結空の動きが止まったところで、唇を重ねた。 嫌悪など微塵も感じなかった。 優しく吸われてうっとりとしていると、舌先で唇の隙間を突かれて、誘導されるがまま口を開けた。 「ふぅっ……ん、んっ、ん」 透の舌が結空の口内を優しく舐めとっていく。 頬の内側や歯茎の裏まで。優しく絡められた舌先も、ソフトタッチでくすぐったい感じが気持ちいい。 溢れる声が止まらなかった。鼻から漏れる声が透を誘う。甘く淫らな声だった。 濃厚且つ柔らかなキスを繰り返しながら、透の手が器用に結空の衣服を剥いでいく。 ダッフルコートの前が開かれウエストから中に着ていたTシャツを引き抜かれた。 トレーナーとTシャツを一緒に捲り上げ、透が結空から唇を離す。 「結空の唾液、すごく甘い。……乳首、勃ってる。こっちもピンクで美味しそう」 「ひ、あんっ……」 指先でぴんと張った乳首を弾かれ腰が震えた。 両方の胸を乳輪ごときゅっと摘ままれ、ふにふにと揉まれ、じわじわと胸にえも言われぬ快感が広がっていく。繰り返される刺激によって、胸そのものが張り詰めていくような感覚に陥った。 「気持ちいい?」 「やあ、あっ……んんっ、んっ、んっ」 「わかる?結空のおっぱいがぷっくりしてきた。赤ちゃん産んだらここからミルクが出るんだよ」

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