8 / 19
Ⅱ 蒼い夜に⑤
下着はそのままに、隙間から忍び込んだ指で後ろの蕾を翻弄される。
苦しい。
前がパンパンだ。
先走りで恥ずかしい染みができてしまっている。
瞼に涙が浮かぶ。下着を脱がないのは辛いけど、脱いだら見えてしまう。
「……脱がしてやるよ」
「ダメっ」
だって、下着の中は……
同意を待たずに、少佐の手が下着を下ろしてしまう。
ベトベトの雄しべが、ピョコン
飛び出して、慌てて手で隠した。
「アァ。わざわざ隠さなくても、隠れてるじゃないか」
……見られてしまった。
「剥いてやるよ」
「ヤァァンッ」
ヌチャリ
生暖かい感触が先っぽを包んで、舌先が鈴口をつつく。
先端を守っていた包皮を引っ張られて、呆気なく顔を出したソコが、強すぎる刺激に歓喜の蜜を踊らせた。
「次は後ろだ」
体を反転させられて、四つん這いになった瞬間
「アアアァァアアーッ!」
熱根が穿たれる。
「息を吐け。まだ半分しか入ってない」
こんな太いのが全部入る訳ないッ
圧迫感が苦しくて、言われた通りに息を吐くと同時、触れられた事のない場所にまで怒張が突き上がる。
「うアアァぁぁーッ!」
そんな奥までっ
怖い。
……だけど、少佐のだから。
俺は今、少佐と繋がっている。
心が擦れ違う。
けれど体が一つになっている。
満たされる場所と、満たされない部分がグチャグチャになる。
俺の頬を濡らしているのは、なに?
涙、なのだろうか?
哀しくない。
けれど、満たされない。
心の空隙を埋めるために、こぼしているのか。
涙なんてなくなってしまうよ……
どこかに流れて消えて……
液体で、その場所を埋める事なんてできやしないのに。
なのに流れ続ける。
埋められもしない場所に、ずっとずっと。
流しても流しても止まらない。
止まらずに、落ちてくる。
結合部にあなたがいる。
あなたの熱を感じている。
俺は……………
グチャグチャだ。
心の在り処 さえ、もう分からない。
「動くぞ」
熱を孕んだ声が耳朶を撫でた。
汗ばんだ腕が腰をホールドして、後淫を極太の竿が掻き回す。
浅い所を突っつくと、次の瞬間
「ヒィアァアーッ」
奥深くに突き立てる。
熱の楔が内壁をこする。
「ハヒッ」
………………体が変だ。
なにかがおかしい。
熱いものが、芯からせり上がってくる。
苦しくて。
ドクドクする。
……この向こう側を感じたい衝動に駆られている。
ビュクン、ビュクビュクンッ
「怖いッ」
アソコがッ
竿に走る血管が脈打って、垂れ下がった玉がキュウキュウする。
「怖いよッ」
「ノイ!」
背中から……逞しい両腕が強く抱きしめた。
「お前、もしかしてまだなのか?」
意味が分からず、ブンブン首を振る。
「今まで出した事ないのか?」
なにを?
「少佐ッ」
怖くて、壊れた人形みたいに首を振る事しかできない。
「歳は?」
「19」
「私より9つ下か。遅い方だな」
なんの事……
「精通、まだなんだな?」
カッと全身が熱くなった。
……俺のアソコ、ソレを出そうとしてるんだ……
「怖くない。俺が大人にしてやるから」
猛々しい剛直が後孔を突き上げる。
肉のぶつかる音がパンパン響く。
手がぁ~
少佐の手、竿を握ってこすって扱(しご)いて欲しいのに。触ってくれない。
重たい玉袋をタプタプ弄ぶだけだ。
「ここから、もうすぐミルクが出てくる」
カリッ
うなじを啄まれて、赤い花びらを散らされた。
「私を感じろ。後ろのマンコだけで出せ」
俺は男だから、そんなの付いてない。
なのに、少佐の形に広がった雄穴が激しく動くぅ~
「雄汁を垂らす淫らなメスにしてやるよ……怖くないからな」
言ってる事は酷いのに。
優しいんだ……声の奥に潜めた感情が、鼓動を揺さぶる。
グイっと熱脈が内壁を押す。
「アァっ、気持ちいい!お尻、気持ちいい」
思わず声が出てしまう。
「私もだ。お前の肉が締めつけて気持ちいいよ」
「アぅぅー」
「出そうだな。イク…って言うんだ」
「イクっ」
「もっと言え」
「イクぅ……イクっ、イクっ、イクゥゥーッ!」
根元から熱が上ってくるッ
せぃし来たァァー!!
ビュクン、ビュクン
「汁を出してメスになれ。大丈夫だ、怖くない。気持ちいいから」
「ひもひいい~……イクぅぅぅー!!」
ドピュ、トピュトピュウ
感じた事のない快感の渦が押し寄せて、右脚の内側がビクビク痙攣する。
目の前が真っ白になった。
脚の付け根の突起から飛び出した白いものが、腹を濡らしている。
まだ暴れ足りなくて、ピュクピュク竿を揺らして、先っぽから白濁のミルクをお漏らししている。
「よくできたな」
ドッと汗を噴き出した背中に、ご褒美の口づけが落とされた。
「種をやる。受け止めろ」
「少佐の種、欲しいィ~」
「一番奥に種付けしてやる。出すぞ、出すぞ…………ァウっ」
勢いよく吐き出される熱を、奥で受け止める。
ハァハァハァハァ
果てた体を引っくり返されて……
腹の白濁を指がすくった。
指の粘液を舐めた舌が、俺の口に差し込まれる。
俺の初めての味……
「美味しいな」
そう……ささめいた唇が降りてきて、キスを再開する。
繋がったままで口づけする。
上も、下も、繋がって……
蕩ける快感に意識が飲まれていく。
俺を包んでくれる逞しい腕の温もりが、心地良い……
意識が堕ちる寸前、声が囁いた気がしたけれど……もう聞こえない。
ともだちにシェアしよう!