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囚われた男
月明かりの美しい夜。
領主の寝室から青年の悲鳴が長く、か細く続いた。
「……ぅう、あ……も、無理」
青年は天井から下がる鎖に両腕を拘束されて、かすかに爪先が床に触れる程度で吊るされている。芸術家が掘った彫刻のように美しく筋肉のついた体だ。
───だが身体中、荊の鞭で打たれ傷だらけだった。
両手の五指とも爪を剥がされ、全て折られていた。熱湯をかけられた半身は無惨に焼けただれている。
だが、顔だけは無傷だった。
そのことが、逆に領主の男の悪趣味さをよく表していた。
青年は金糸のような金髪、氷のように澄んだアイスブルーの瞳をしていた。
美しい目元、スッキリと伸びた鼻筋、魅力的な厚い唇。
若く、男らしい顔立ちをしている。
この若者は国中の女が放っておかないであろう容姿をしているが……
もう三日三晩も、サディストの領主の慰みものになっていた。
「まだ死ぬなよ」
そう言いながら、領主は背後から細身の剣で青年の腰を刺し貫いた。
「……ッッ!!……ハッ!……ぁあ、ああ!!」
大きく仰け反り、ガクガク痙攣する青年の傷だらけのアナルに、領主は興奮しきった男根を突っ込んだ。
「ヒィ───ッ!あ…あ……あぁあうぁあ!」
奥まで貫きながら、突き刺した剣を抉るように回した。
「いッ!!……あ! あ!……やめっ! ぎ、あ……あ、あ、あぁう、ぐぅ!」
「……いいぞ! 締まるッ!」
領主は傷だらけの体をめちゃくちゃに揺さぶり、早々に青年の最奥に精を放った。
「あ、あ、あぁあああ……」
ガクリと青年は頭をうな垂れたが、領主は未練がましく腰を振っている。
「も、無理……もぅ、やめ……」
「まだだ。もっと……」
「もういいっつってんだろ! 抜けよ!! 変態野郎!!」
青年が叫んだ言葉に、領主の頬が怒りで朱に染まる。
「ほぉ……よくもそんな口がきけたな。まだまだ弱ってはいないなら、遠慮はいらんな」
領主は暗くなっ淀んだ瞳で青年を見つめた。
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