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最悪の恋

この悪魔は「人間ごときに犯される」というシチュエーションが好きなのだ。 押さえつけて、言葉で責めれば、いつも興奮しきった声で甘く鳴いた。 リュカはベッドに放ってあったロープでアズィーズを後ろ手に縛った。 そして、丸い尻の肉を開き、(あらわ)にしたアナルを舐めた。 「あぁあ! や、ぁあ」 悪魔が可愛らしい喘ぎ声をあげて身悶えた。セックスをするときのアズィーズは淫らで、か弱く、可愛い。 後孔を舐めて濡らしただけで、リュカは熱く勃ちあがった剛直をアナルにあてた。 「あっ!待って、まだ……」 「うるさい」 メリ……っと、引き裂くように、アズィーズのアナルへと突き入れた。 「あっ!あ、あ、あぁあああ!」 悪魔が高い叫び声をあげた。その声音には痛みではなく快楽に酔った色が混じっていた。 ペニスを埋めた瞬間、気付かれないようにリュカは息を詰めた。 リュカの全身を数万本の針を突き立てたられたかのような激痛が襲ったのだ。 リュカにかけられた呪いには、もうひとつ厄介な効力があった。 好きな相手とセックスをすると、全身を針で刺されるような激痛が襲うのだ。 ───最初は、なんでもなかったのに。 アズィーズは綺麗な顔をしているし、自分が突っ込む側にまわるのは久しぶりだったので、この少しだけマゾの悪魔とのセックスは楽しかった。後ろの具合もいいし、鳴き声も可愛らしい。 自分のためにサディスト男を殺してくれて、どんな酷い傷も治してくれる。 アズィーズの愛人になってから、生きるのが随分と楽になった。 この悪魔は人間とのセックスが好きだが、気に入らなければ瞬時に引き裂く。 過去に愛人だった人間でアズィーズに本気で惚れたものもいたが、「煩わしい」と、簡単に捨てたらしい。 アズィーズがリュカを気に入っているのは、いい具合にリュカの性格が荒んでいるからだ。 呪いのせいで心が荒み、誰も愛さないし、サディスト男に対する報復にアズィーズを使う。 それが、アズィーズを楽しませていた。 もう六年の付き合いになる。 こんなにも長く、アズィーズが一人の愛人と続いたのは初めてだと言う。 そして、いつからかリュカは悪魔とのセックスの度に激痛を感じるようになった。 「あぁ……はぅ……ん、あ!」 表に返し、大きく脚を開かせて、激しく腰を使う。悪魔の唇は快楽に戦慄き、後孔は人間の男根を心地好く締め付けた。 「お前、悪魔だろ。人間にいいように犯されて感じてんじゃねえよ」 リュカはアズィーズの頬を軽く叩いた。 「あ!やめろ……っ」 「うるさい」 リュカは少し乱暴にアズィーズの足首を掴んで頭上に倒した。串刺しにするように、上からガツガツと犯す。 「あっ、イヤ……あ!ぅうあっ!!」 いつもの睦言だった。 アズィーズは感じ入って、甘い喘ぎを漏らす。 リュカはその淫らな表情を食い入るように見つめた。 「この淫売。変態悪魔。ビッチ」 「あっ!あ、あ、やぁあ!」 ───ああ……なんで、お前なんかに。 この悪魔は存外に可愛い。とぼけた喋り方も。 わがままで淫らで、ちょっとだけマゾな部分も。 呪いがかけられてから、誰からも見捨てられていた、どうしようもないリュカの隣にいる恐ろしくも可愛らしい悪魔。 恋を、してしまった。 最初は自覚していなかったが、皮肉なことに呪いの効力がリュカの恋心を証明していた。 リュカはアズィーズに気付かれないように、奥歯を噛みしめ激痛に耐える。 全身の痛みにも強直を萎えさせることなく、悪魔を犯し続ける。 ───痛い! 痛い痛い! 苦しい。でも、好きだ。 絶対に、この想いをアズィーズに気付かれてはならない。 知られれば、あっという間に捨てられてしまう。 「あぁあ……リュカ、リュカ。もぅ、イキたい」 可愛くねだる悪魔に深く口付ける。アズィーズは夢中でリュカの舌を絡めてきた。 「……いいぜ。イケよ」 悪魔のイイトコロを集中的に突き上げ、角を舐め、歯を立てて甘噛みした。 「あっああ!イイ!……イクッ!!」 「……ぐっ!!」 絶頂の瞬間の締め付けに、リュカも精を放つ。 セックスの終わりにはいつも体を引き裂かれる程の激痛に襲われたが耐えきった。 アズィーズの上に倒れこみ、荒い呼吸を続ける。 魔力で縄の拘束を解いた悪魔の腕がリュカの背に回る。 「……すっげえ。良かった」 「……」 ぎゅっと抱き付かれて、リュカの胸が締め付けられた。 互いの息が落ち着いてきた頃、部屋の隅でモンスターに犯されて、息も絶え絶えの領主のうめき声が聞こえた。 「アレ。どうする?」 「ん……殺して」 悪魔がヒュイっと口笛を吹いて指示を出す。 怪物に噛み砕かれ、領主の断末魔の叫びが聞こえて、完全に途絶えた。 アズィーズがリュカの頭を抱き寄せ、再びキスを求めた。 「ん……もう一度」 愛しい悪魔のキスに応えながら、襲いくる痛みに耐える準備をして……リュカはアズィーズを抱きしめ、より深く接吻をした。 end

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