1 / 15

第1話

8月初旬。 みずきはずっと片想いしていたアキラと恋人同士のような関係になって1ヶ月ほど。 今日はアキラに誘われて自宅に招かれていた。 仕事から帰って、アキラと夕食を共にしたあと、リビングでゆっくり過ごし、そろそろ風呂でも沸かそうかとしていたところ。 「あ、コーヒーもうないな、明日朝飲もうかと思ってたけど、ま、仕方ないかー」 キッチンの冷蔵庫を開けて、ぼやくアキラ。 夏は冷たいコーヒーを冷蔵庫にストックしてあるのだが、在庫が切れたことを忘れていた様子。 「なら買ってこようか?」 アキラに必要なものなら、とすすんでお使いをかって出るが… 「え、今から?」 そろそろ21時ごろになる時間。 「そこのコンビニならすぐだから」 「うーん、じゃオレも行くよ散歩になるし」 「いや、夜だし外結構暑そうだから待っていた方が…」 体力のないアキラを心配して伝えるが… 「でも、オレのコーヒーだし、独りで待つのも暇だしな、なんかあってもみずきがなんとかしてくれるだろ?」 アキラは試すように笑う。 「いや、なら一緒に行くか、夜だし無理しないようにな」 苦笑いしつつ、アキラの気持ちを優先する。 「うん、夜散歩だな」 そうして2人はアキラ宅を出る。

ともだちにシェアしよう!