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第1話
出勤してきた同僚と入れ替わりで早めの昼休憩に向かう。
「高槻さん、なんですかその格好は!」
婦長の怒鳴り声にびくりと肩を震わせた高槻は、ゆっくりと振り返る。そこには絵にかいたような仁王立ちをした婦長が立ちはだかっていた。
「えっと……ブルーってダメでしたっけ?」
高槻は身に着けたナース服を上から下に確認し、婦長に聞き返す。新調したばかりのナース服は薄いブルーのワンピース型だ。男にしては華奢な体つきをしている高槻はLサイズを選べば女性用に作られた服でも着こなすことが出来る。
ナース服の下はしっかりと白いタイツを履いているし、動きやすいように合わせた白のスニーカーには、ナース服と似た色味のブルーのラインが入っていた。
完璧なコーディネートだと思い、短い髪を強引に二つに結んだ高槻は気分よく仕事をしていたのだが。
「色のことじゃありません! なんですか、そのスカートの丈は。そんなんじゃ少し前かがみになっただけでスカートの中が見えるでしょう!」
なるほど、婦長が気にしていたのは高槻のスカート丈だった。サイズはLで十分肩回りも収まるが、着丈はどうしても短めになってしまう。
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