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第1話

「りーくん。別れて」 恋人から突然告げられた… 「は?…何…急に…」 「だって…りーくんは…俺じゃなくてもいいでしょ?俺は俺だけを見てくれる人と一緒にいたい…」 そうして去っていく背中を追いかけられなかった。 だってあいつの隣には俺の…大親友が立ち…慈しむように肩を抱き…愛が溢れた温かい眼差しで見つめていたのだから… 「ごめんね。璃人。俺は昔から夏南のこと好きだったんだ。お前と親友やってれば側にいられる…側にいられるだけでいい…そう思ってたからお前とも一緒にいたんだ…。でもごめん。もう我慢できなかった…だって璃人は夏南がいるのに回りにも優しくして…夏南を優先にしてあげなくて…夏南を苦しめてきた…夏南が泣いてたの知ってる?知らないでしょ?お前の優しさが夏南を苦しめてきた…傷つけてきたこと。夏南は俺が幸せにする。お前には夏南を愛してやる資格なんてない。じゃあね」 恋人と親友を同時に失った俺はただ立ち尽くす 「マジか……」 何も言えずただ見送った…優しいところが好きだと言ってくれてた… 自分よりも困っている人に手を貸してあげるところが好きだって言ってたのに… それが夏南の強がりだったなんて…俺は…全く気付いていなかった… 俺はおそらく回りの人と比べると恵まれた環境で育ってきた。 誰もが知る会社の跡取り息子。 容姿もおそらく他よりも恵まれてた。 勉強だって運動だってかなり努力していつもトップに君臨してた… それが当たり前の環境で育ったんだから… 俺の唯一の欠点は…同性しか愛せない…それだけ… とはいえ両親から咎められるようなことは無くて…しっかり愛されてる… でも回りからしてみれば大企業の御曹司が同性愛なんて…否定的な者が多い気がして家族以外の誰にもその事は話せなかった… 女の子に告白されれば付き合ったしやることはやれる。 でも…狂おしいほど欲しいと思うことはなかった そんなとき恋人…まぁ振られたんだからかつてのになるんだけど…夏南と出会った。 第一印象は小型犬。只管ちょろちょろしてて、ど天然で放っておけなくなって構っていたら次第に好きになった。 俺の初恋… 秘めなければならない想い…そう気持ちを圧し殺し側にいた。そして暫く…夏南から告白された。 初めての男からの告白。嫌悪感はもちろんあるわけもなくすんなりOKした。 夏南は涙を流しながら幸せそうに笑った。 愛しくて愛しくて…篭に閉じ込めておきたいほどの想い…こんなに一人に焦がれるなんて…そんなときが来るなんて思いもしなかった…

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