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第終話
そして、春。
教士は夏樹に返事を返した……もちろん答えはYESーーーでも、身体を繋げるのは20歳になってから。そう、約束させた。
「なー、花火始まるってー。早く行くぞー」
「わ、分かってるって。ほら、あの公園通れば直ぐじゃん。間に合うよ」
「なに? 誘ってるの?」
「……馬鹿っ」
この会話ももう5回目。そして、今日、夏樹はようやく20回目の誕生日を迎えた。
花火の音に心は弾む。
「……夏樹がしたいならする?」
「……え!? する! するする!」
そして、今年の花火は5年前と同じ様に、ベッドの上でその音だけを聞いて楽しむ事になったのだった。
end.
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