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第2話
鞄の中の財布を確認してからスマホも入れ、机の上の鍵を掴むと大学へと行く為玄関へと向かう。
ドアを開ければ見知った笑顔。
「佐倉、おはよう。」
「おはよう。
冬真。」
梅原冬真は小学校からずっと一緒の幼馴染。
真冬日生まれの冬真。
梅なのに冬なのが、季節を一編に味わえて良いだろってよく言っている。
この幼馴染みは、隣の部屋に住んでるというのに過保護だ。
大学に進学した今でもこうして毎日玄関前で待っていてくれる。
一人暮らしの楽しみは薄いけれど、知った笑顔は安心する。
「よし、行くか。」
眩しい太陽の下、幼馴染みの後を着いて行く。
汗が吹き出る気温。
朝からけたたましく鳴く蝉。
太陽も頬を撫でる空気も、何もかもが、夏だと何度も何度も何度も知らしめる。
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