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第12話

熱を帯びた息が耳にかかり、ズクリと下腹に甘い疼きが走った。 「んぅう…っ」 耳なんか、だだの音を聞くための器官だと思っていたのに。 雪の吐息と甘噛みで、快楽を感じている。 「ゆう…、肩を竦めちゃうの、なんかいいね」 「え、あ、…んぁ…っ」 愛しげに触れる唇。 こめかみ、耳殻、耳朶…。 顎のラインから首筋へ移り、薄い胸へと。 「あ…っ、ぁ…っ、あぅ」 軽く触れ、甘く啄み、真優の肌に熱を点す。 それは、手術の痕にも。 「んぅ…っ、…ゃ…ぅ」 いつかは色が薄くなると言われているけれど、まだピンク色の線の痕。 その痕へ落とされる口づけ。 切なげな吐息とリップ音が響く。 チュ。 チュッ。 「ああ…っ!」 腰から背中、脳髄へと稲妻が走り抜ける。 「んふ…。 ゆう…、ここも気持ちいい?」 「んあ…っ」 ひとつひとつ、真優が感じる場所を雪は確かめているのだろう。 愛しげに触れ、やわやわと吸い、舌先で甘く突く。 右胸にある花びらの形の痣にもだ。 「ここなら、痕をつけてもいい…?」 「んっ、……んぅ」 少し強めに吸い上げ、舌で触れる。 真優の熱源が、更に熱を帯びた。

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