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第11話
離れていた時間を埋めるように、何度も何度も口づける。
いつの間にか雷は遠ざかり、横殴りの雨も少し弱まっていた。
「んぅ…」
「んん…」
合間の吐息と甘い声に、お互いが煽り立てられる。
「ゆう…っ」
「ゆき…ぃ…」
角度を変えて深く重ね、隙間から舌を滑り込ませて。
啄み、舌を絡ませ、吸い上げる。
体内の熱が渦巻いて下腹で凝っていく。
「…っ、…あ、だ、だめ…っ」
「どうして…?」
短パンに滑り込む手を止めようとすると、雪が耳殻を甘く噛んだ。
「どうして?僕はゆうに触れたい」
「…だって…、恥ずか…し…っ」
「恥ずかしいことじゃないよ。
…ゆうは?僕の熱に触れたいと思わない?」
「………っ」
トクリ、と。
心臓が大きく跳ねた。
「あ、ぅ…、そ…な…こと…」
触れたくない筈がない。
真優だって雪の熱源に触れたい。
「触れたくない…?」
「うぅ…。触り…たい…」
「でしょ?」
狼狽える手を掴み、凝った熱に導かれる。
「え、あ…っ」
「ゆうだけじゃないよ。僕も…ね」
「…っ!」
スラリとした体躯から想像したものよりも雪の熱源は大きい。
「え、そ…な…」
「ゆうにだけだよ。
こんなふうになるなんて」
「……っ、ひぁ…っ、んっ」
真優に対してだけ欲情するのだと囁き、雪はもう一度耳殻を甘く噛んだ。
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