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新章《思惑と裏切り》
アキラの終撮から一ヶ月が経ち…
カレンダーは2月半ばを過ぎる。
あれから、相変わらずの日々を過ごしているアキラとみずき。
BOUSへ行かずに済むようになって、アキラも随分、気が楽になった。
高校生活もあとわずか…
高校を卒業したあと、どうするか…
短時間でも働くか…
何も考えていなかった訳ではないけれど、実行に移せていない。
(…みずきとの事も、この機会に話しをしないと、ダメだよな…)
みずきには言っていないが…
アキラはすでに、病院系列の単独寮のような施設に申込みをしていて…
空きがでれば、そちらへ移り住むつもりなのだ。
勝手に…みずきに相談もなしに進めてしまって、アキラとしては心苦しい点もあるが…
……正直に話して、オレが出ていくことをみずきが了解してくれるとは思えないし…話してしまえば、もうここに居づらくなる…
だから言えていない…
そして、ズルズル…みずきの家に世話になってる状態…。
「アキラ…じゃ、行ってくるから…」
みずきは仕事へ行くため、立ち上がり鞄を持ってアキラに声をかける。
「あ、ウン…今日帰り23時半だよなー」
「あぁ。なるべく早く帰るから…」
アキラの問いにいつものように答えるみずき。
「ウン、いってらっしゃい!」
ソファに座ったまま…
軽く手を振るアキラに、そっと口づけ…
いつもと変わらず、夜間のコンビニ店員の仕事へ向かうみずき。
時刻は、夜18時半だ…。
夜間、みずきがいない間、みずきのアパートで好きな事をして過ごすアキラ。
今はもう飼い犬のメアリーとリッツは健次の病院で預かってもらっているので、アキラ一人残される。
さすがに外へは出歩かないが、時々…ルードやカズキからメールが届くのでその返事や、本を読んだり…
勉強などをやって過ごす。
独りの過ごし方はお手のものだ。
みずきが出て行って1時間…
食事は済んでいるので、フロでも沸かそうかと立ち上がったところ…
それは…前触れなどひとカケラもなくやってくる。
ガチャ、ガチャ!
玄関の戸が荒く音を立てる。
「ん?みずき…?」
そんな訳はないな…と思いつつも、呟いてしまうアキラ。
みずきが帰ってくるには早すぎる…
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