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第3話

カギはかけているハズだが、様子を見るため不審な音のした戸の方へ向かおうとするアキラ… すると、すぐさま… バンッ! 大きな音とともに入り口のドアが開く感覚… 「!?」 驚いて部屋で立ち止まる。 そこへ入ってきたのは… 「ヨォ、久しいな…サクヤ」 不適に笑いながら言葉を出す人物。 「ッ!!タ…」 その人物を見て、驚き、言葉が出ないアキラ。 その大柄な人物は… BOUSで罰撮影の、暴行撮影のみを担当していたタツだった。 「な…、」 状況が把握できない… なぜタツが今更… 「今日はなァ、わざわざ撮影に来てやったんだよ!」 後ずさりするアキラにさらに近づき、タツはそう言い切る。 「は?オレはもう、BOUSとは関係ない、終撮だってした!契約違反だろッ!」 アキラは理不尽な気持ちで言い返す。 「そうでもねぇんだ、これが…お前は、卒業ん時の書類、全部目ェ通して納得してサインしたんだろ?」 しらっと言うタツ。 「…それが?」 頭に思いおこしながら聞くアキラ。 「なら、文句はいえねぇな…」 「何がッ?」 「書類の中にあったてめぇの総撮影回数…覚えてるか?」 「……356回」 タツの問いに書類内容を思いだしながら答える。 確か、長い文の間に、撮影に関する記録が小さく書かれていた。 「はん、よく覚えてるな…だが、肝心なことは覚えてなかったらしいな、お前の現在の総撮影回数はな、352回なんだよ」 「は…ッ?」 「要するに、撮影回数が、4回足りてねぇ訳なんだよ!」 説明しながらアキラの胸ぐらを掴みあげるタツ。 「そ…んな事!」 カッとなるアキラ… 10年近く仕事を続けて… すべての撮影を…撮影回数を覚えてる奴なんか、居る訳ないだろ!! 「親父(社長)も、書類の間違いに気付いたら、ナシにしていたって、そう言ってたぜ?サインしちまったモンはしかたねぇだろ、自業自得だ!」 「そんな事ッ、詐欺だッ!」 「いーや、てめぇの見落としだ…わざわざ来てやったんだからな、観念しろや」 口調を少し荒げ、アキラに口づけを迫る。 いつのまにかカメラを持った奴と、あともう一人、家の中に上がり込んでいて、タツの行動を見ている。

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