「みずき…もう、タツに向かって行くな…」 傷だらけなみずきをみて、胸が苦しくなりながらも… アキラは心を落ち着かせるよう語りかける。 すぐカイがみずきを後ろから押さえ付けている。 「もう…向かっていかなくていい…撮影、受けるから…」 アキラは静かにみずきに言う。 「アキラ！？」 その言葉に驚くみずきだが… 「オレは…こんな撮影より何より、自分のせいでみずきが殴られたりするのを見る方がつらいから…傷つけてしまうのが、オレの撮影だから…お前は関係ない…」 また…そんな風に言うアキラに、言い返そうとするみずきだが… 「関係なくはないッ！お前は俺の…」 「みずき！オレだけだったら…もう、とっくに諦めてる状況だから…みずきが犠牲になる必要、ないんだ…」 アキラは、みずきの言葉を制するように言ったあと…うつむいて伝える。 「…それに、オレは…さっきも、また、お前を裏切ろうとした…」 「え…」 アキラの静かな口調の内容に…聞き返してしまうみずき。 「オレは…お前に黙って、ここを出て行こうとしたんだ…」 すっと瞳を合わせて… 今、それを伝える。 「なっ…」 出ていく？ 昨日と同じように…出掛けようとしていたのではないのか？ 突然アキラが出ていくなど、ないと… みずきは思っていただけに、すぐには受入れられない…。 「そんなオレの為に…お前が犠牲になることはないから…」 すでに傷だらけの顔で…愕然とするみずき… 「こいつらが動く気がないなら…みずきが、オレの撮影が終わるまで…どこかで時間を潰してくれてたらいいから…」 （頼むから、ここにいて欲しくない…） アキラは感情を見せないように、みずきへ伝える。 （きっと…これは、卑怯なオレに対して、当然の罰なんだよ…） 「…ッ」 酒をかけられ濡れてしまっているアキラ… その、言っている内容に混乱するみずき… 答えられないでいると… 「タツ…」 アキラはタツを呼ぶ…