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第77話

意識を失ったアキラは、ドサッと音をたて…再び床に倒れる。 「見りゃ分かるけどなぁ…前も同じコトしてやったんだ、隠してたんじゃねーの?わざわざテメェが出てこなくてもいーのによォ、一番テメーがサクヤ苦しめてたんだぜ、ボーケ!」 蔑み責めたてながら、みずきへ言い近づいていくタツ。 「……ッ」 睨み付けるしか出来ないみずき。 「チッ!オラっ、オラッ!」 その目付きが気に食わなかったのか、横たわるみずきの腹を手加減なしに蹴り飛ばして… 「ぐっ…ッ」 「行くぞッ」 残りの仲間を呼んでみずきのアパートから出ていく。 ようやく静かになり… みずきとアキラのみになる部屋… 「ッぅ…」 (アキラっ…、クソッ) アキラは冷たい床の上に全裸で震えている… みずきは一刻も早くアキラのもとへ行きたいのだが… 手首と足首を縄で拘束されていて身動きが取れない… タツに瓶で殴られてから左肩の痛みが消えず、動かせば激痛が走る。 しかし…このまま転がっている訳にはいかない… 「…っく、ゔッ!」 ガッと、みずきは痛みを堪え、腕に渾身の力を入れて、両腕を拘束する縄を引きちぎる。 「…は、はぁ、ッ、アキラっ!」 そして素早く口の布を取り、足の拘束も取り外し… アキラの傍へ駆け寄るみずき。 縄を切る際、手首や足首に力を入れた為、アカく腫れたようになり切れているところは血が滲み出ているが… そんな痛みを忘れるほどアキラの事で心が一杯で… 助けられなかった… 苦しめてしまった… みずきの心は、後悔の念にかられていた…。 「……ッ」 タツたちに散々痛めつけられ… ぐったりして意識のないアキラ… 身体が震えている…

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