76 / 144

第76話

「俺らが充分楽しんでやったからなァ…」 そんなタツの態度にカッとなり、掴みかかろうと思うが、縛られていてそれは叶わなかった… 悔しさ無力感、喪失感が加わり、奥歯を噛むみずき… 「ハン、まだ向かって来る気あんのか?勝てねぇの分かりきってんのによォ…」 タツは馬鹿にしたように言い、横たわるアキラに手を伸ばし、自分の方へ引き寄せる。 「んんっ!」 (アキラに触れるなッ) 「こいつがなぁ…テメェとSEXしたがらなかったのはなァ…」 タツはアキラを隣に抱えるように座らせ… 顎を持ち自分の方へ向かせ… 「ケン、サクヤの腕持ってろ!」 ケンに命令し、タバコを手に持つ。 「オイ!サクヤ、目ェあけろ!」 顎を掴み、抑え付けながら怒鳴る。 「…ぅ、…っ」 うっすら目をあけたアキラの前に… 「これなーんだ?」 ニヤっと笑い… 火のついた煙草をちらつかせる。 「ッや、嫌だ…ッ」 すぐに見開かれる瞳… 忘れられない痛みが蘇り… アキラは身体を震わせ驚愕する。 「んんーッ!!」 縛られカイに抑えられているみずきもアキラが恐怖する姿を目にする… 「ぃ、嫌っ…やめ…」 タツは構わずアキラの両足を抑え、高ぶりが残るその側面へ… 愉しそうに煙草の火を押し付ける。 「アァッ!ィっ、く…ッ」 ジュッ…と焼けるような音とアキラの悲痛な叫び声が、瞬間目を閉じていたみずきの耳に容赦なく届く… 「……」 (アキラッ!!) あまりの酷い仕打ちに…愕然となるみずき… 「チッ、つまらん、もう意識ねーぜ…」 押し付けた煙草をその場に捨て、アキラを放す。

ともだちにシェアしよう!