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《裏切りの傷痕》

どのくらい経っただろうか… アキラはかなり熱い身体をしていて… 息遣いも荒い… それでもさっきよりは良くなってきた… 「……」 アキラは、急にピクっと指を動かしたと思うと… ゆっくりみずきを押し離す… 「アキラ?」 「……オレ、…シャワー、浴びてくる…」 まだカスれた声でポツリと言う。 「アキラ、その身体じゃ無理だ…もう少し良くなってから…」 みずきは当然心配するが… 「…キモチ悪いから…カラダ洗いたいし…酒、臭い…だろ…」 やはり頭を軽く振って、そう願う… この穢れは洗っても拭いされるものじゃないけれど… それでも洗わずにはいられない… この吐き気がするほど汚れた身体を… 「……なら、俺が付き添うから、一緒にいこう…」 アキラのキモチを優先させ答えるみずき。 「……ウン、」 少し考えて頷くアキラ。 みずきの手をかりて立ち上がる。 「!…みずき、手…」 ふと目に入った、痛々しいみずきの手首を見て思わず言うアキラ… 「あ、あぁ…このくらいは平気だ…」 隠すように服の袖を下げるみずき。 よく見れば、みずきもボロボロだ… 自分のせいで…。 「手当…しないと…」 ポツリと零れる言葉… 「今はいい、後でいいから…アキラ…」 優しく言うみずきに… 「…ウン、ごめん…」 小さく謝るアキラ… 「……アキラが謝ることはない、自分でやったキズだから…アキラは悪くない」 毛布を羽織るアキラの肩に触れ、瞳をみて伝える。 「……」 アキラはその瞳を見返しただけだ…。

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