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 どうしてこんな事になってしまったのか、今は自分でも分からない。ただ、これがあの時思った最短の方法だった。  ——コイツに、近づくための。 「……は。ぁ…ちょっと待っ、て」 「……生殺しとか、シュミ悪ぃぞ」 「ぃ、あッ…!?んっ…ぁあ」  熱帯夜にも関わらず、扇風機すら付いていない室内で行為に及ぶ。互いに汗だくになりながら、求め合った。  ずっと好きだった相手に抱かれるのに慣れてしまったのは、何時頃からだったのだろう。 「……冴咲」 「……っ、なに」 「名前、呼べ……俺の、名前」 「あや、と……綾都。んっ」  愛なんてない。ただの性処理の対象——それだけで満足だったのに。ごっこ遊びに求めてはいけないものを、俺はコイツに求め始めている。 「……オレの名前も、呼んで?」 「……こうた」  こんな遊び、きっといつかは壊れるんだろうに。  ——オレ、冴咲耕大(さえざきこうた)は、同い年の御上綾都(みかみあやと)と  セフレ関係にある。

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