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第1話

「好きです…付き合ってください」 特に知りもしない目の前にいる女の子の告白…丁度彼女と別れたばかりだったし 「いいよ」 俺。円山璃人はそれなりに裕福な家庭で育ち教育もしっかり受けてきたので成績もそれなりによくて運動もそれなりに出来る。 容姿も父と母のいいところをもらったらしく他の兄弟と比べ割りと綺麗な顔をしていると言われてきた。 だからなのかやたらと女の子にモテた。 告白されれば断るのが申し訳なくて付き合ったけど…すぐにフラれる。 私のどこが好き?という類いの質問にうまく答えられなかったから… セックスしている時は女の子は柔らかいし気持ちいいから好き…でもマメに連絡しないと拗ねたりとかされるのが面倒… 可愛くねだられるのも好きだけど…しなだれかかってこられるのは苦手… 「璃人が、私のこと本当に好きかわからない…別れましょう」 いつも同じようなフラれ方… 好きかわからない…?そうだよね…俺は…女の子は好きになれないから… 気づいたら俺の恋愛対象は男だった。 好きになったのは男ばかり…でも彼らに思いを告げることは出来なかった… 大企業の御曹司が同性愛なんて知られたら?会社のイメージダウンに繋がる気がしてた。 でも…俺は家族にそれは隠さなかった。隠せばもっと辛い目に遭うから… 昔ながらの考えの持ち主である父には到底理解してもらえないだろう…そう思ったけど黙ってられなくて… 「父さん…俺…女の子を好きになれないみたいなんだ…」 ある時父を呼び出してそう告げた 「は?」 父が眉間にシワを寄せる。 勘当とか言われちゃうかもしれない…そう覚悟をしていたのだが…父の口からこぼれたのは… 「そうか…璃人がそうならそれでもいい。なぁ。璃人。無理して女の子と付き合うことないよ?会社のこととか思ってくれてる?でもね、璃人が無理して笑ってる顔は見たくない。璃人には幸せになって欲しいから…だから自分に嘘なんてつかなくていい」 「いいの?気持ち悪くない?」 「たまたま好きになれる相手が男だったってだけでお前は何も悪くないでしょ?だからそんな顔しないで。ね?」 「ありがとう…」 父の言葉に胸の支えが取れた気がした。 でも俺は寂しがり屋なのか結局告白されたら付き合ってやることやってすぐに別れるという生活を終わらせることは出来なかった。 そんなときあいつに出会った

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