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第2話

今日彼女に呼び出され普段はあまり人が通らない学校の裏庭に来ていた。 「璃人。別れよ…璃人は優しすぎる…璃人は悪くないの…でも私…私だけを見てほしかった…みんなに優しい璃人が好きだったけど…でも…やっぱり…私は…ごめん」 このフラれ方ももう何度目だろう… 立ち去る彼女の背中を見送り姿が見えなくなる… 立ち去った逆の方向に向かい歩き出した。逆方向にいけば裏門があるからそのまま帰れるし フラれたけどそこまでショックはない。 ほんと…俺って… 体育館裏に通り掛かった時誰かの声がした。 歩く方向を変え声のする方へ向かう。 そこには小柄な生徒が三人の男に絡まれている姿。 そして彼らの足元に踞る生徒は良く見ると服を脱がされていた。 「いや!やめて!!」 「お前本当に男だったの?こんなに可愛い顔して」 「これなら男でもいけるかも。女より肌綺麗だし」 「確かに…やっちゃう?」 うーわ…不穏な言葉たちが飛び交う。彼はカタカタと震えていた 「仁科先輩?何してるんですか?」 中心にいた人物はよく知っていた。 仁科 タカヒト。親父の会社の取引先の社長の息子。 「っ…円山くん…」 「それと……末広先輩に糸田くん」 みんな知ってる顔。だって学校の生徒達も教師も逆らえないほどの権力を持った家柄の子達ばかりだから。 「今日は見逃してあげる。でも次はないからね」 最高の笑顔でそういうと三人は去っていった。 「大丈夫?水橋くんだよね?水橋夏南くん」 とても可愛い子という認識はあった。 でも俺のタイプとは掛け離れているので特別な目で見たことはなかった。 彼らの言ってた通り肌は綺麗だしとても可愛い子。 でもただそれだけ 「どっか怪我したとことかない?」 「ないです…ありがとう…」

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