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第31話

「夏南。かーなーん!」 「わっ…あぁ…たーくん」 「どした?ぼんやりして」 「うん…」 「またお兄さん思い出してた?」 「うん…やっぱりたーくんは似てるよ。春に…何かごめん」 「いいよ。夏南が心を許してた人に似てるって嬉しいし」 「ありがとう」 「何?二人ともどうしたの?」 「内緒」 「ちょっと!酷い!!」 「ふふっ…りーくん。キャラ崩壊してる」 「え?俺はいつも通りだよ?」 俺がたーくんじゃなくりーくんを選んだ理由は? 多分春にたーくんが似てるから… りーくんの優しさとたーくんの優しさは少し違う。 りーくんは誰にたいしても同じ優しさを与える。たーくんはみんなのことをよく観察してて今何て声をかけることが相手にとっていいのか?要は相手の都合のいい優しさを与える人。 春は自由奔放で明るいけれど本当はよく考えて人によって優しさを変化させてた。 だから似てるんだ。たーくんと。 だからこそ好きにならないと決めてた。だってそんなのたーくんではなく春を見てるみたいでしょ?

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