45 / 133

第45話

夏南side こんなにも俺のことを愛してくれている誰からも憧れられている素敵なりーくんなのに… 俺は偽りの恋で彼を縛ってしまった… 「夏南…本当にそう思ってるの?」 「うん」 「嘘だよ…夏南…泣きそうだよ?璃人のこと偽りなんかじゃなく本当に愛してるんでしょ?俺が手を出してしまったから…」 「俺がたーくんに抱かれたかったの。だからたーくんは何も悪くない」 「夏南…ちゃんとこっちみて。本当は誰が好き?」 たーくんの真っ直ぐ射抜くような視線…あぁ…誤魔化せない… 「…りーくん…りーくんが好き…好きなの…すごくすごく好きなの…それなのに…たーくんとも一緒にいたいっておもってる…たーくんともこうしていたいって…俺…本当に最低だ…」 「ねぇ。夏南。俺のことは利用してくれていいよ。どうしても璃人のことで何かあればいつでも俺が慰めてあげる…俺はいくらでも利用されてあげる。俺の役割。それが役割だって思ってる。俺は一番じゃなくてもいい…一番にならなくたっていい。でも夏南が我慢していることは耐えられない…だから…いつでも…寂しくなったらいつでも俺を全部あげるから…夏南が寂しくないように…」 たーくんの胸に抱かれ泣いた…ごめんなさい…たーくん…ごめんなさい…りーくん… 「ごめん…たーくん…俺早退する…りーくんに伝えておいてくれる?今日は会えないって…」 「…わかった…」 そっと胸元についた紅い花を撫でる…これが消えるまでりーくんとは二人で会わない…

ともだちにシェアしよう!