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第53話

めのさんのご飯はうますぎた。懐かしい味で箸が止まらなかった… そのせいで食欲が無かったはずなのに食べ過ぎてしまっていた 「ふぅ…お腹一杯…食べ過ぎて苦しい」 「りとさんお腹出さないで…ふふっでも…そのお腹…小さい子供みたい…可愛い」 「んなっ…可愛いって…」 初めて言われた… 「だってお腹ポッコリ…」 クツクツ笑うめのさん。あなたの方が可愛いです 「ほら。お腹仕舞って。冷やすよ」 「わかったぁ」 「いい子」 大きな手で撫でられる。 気持ちいい…こうされたのはもういつのことなんだろう… 「りとさん?」 「もっと…撫でて…めのさん」 「っ…可愛い…」 「ん?なぁに?」 「何でもないです…」 そのまま眠りそうになっている俺をトントンと軽く叩き起こすめのさん 「りとさん!お風呂!入ってから寝てください」 「んー…」 「起きないと襲いますよ…りとさん」 「…いいよぉ。襲って…めのさん」 思い切りめのさんに抱き付き腹に頭をグリグリと当てる 今ごろになってまた夏南のことを思い出してしまった。泪が零れた 「めのさん…俺ね…ちゃんと夏南のこと好きだったんだよ?本当は周りなんてどうでも良かった…夏南にだけ優しくしたかった…でも…皆に優しいところが好きって…夏南言ってたから…付き合いだしたからって夏南だけに優しくしたら夏南に嫌われるって思ってたんだ…だから精一杯俺の気持ち圧し殺して…皆にも優しくしたんだよ…なのに…夏南は我慢してたって…俺わかんなかった…」 「…りとさん…」 「俺は…一番近くに居た人の気持ちをわかってやれなかった…振られて当然だよね…」 一度口を開けば止めることなんて出来なかった…

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