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第70話

「璃人…ごめん」 琢磨が綺麗に頭を下げた 「夏南が別れを告げたのは俺のせいだ…ごめん」 「…夏南の中で不安が大きくなって…それを気付くことができなかった俺のせいだし。それよりも夏南がお前を選んでくれてよかったって思ってるよ。琢磨は俺の自慢の友人だから」 「璃人…」 「琢磨。俺ね…夏南のこと本当に好きだった…別れたいって言われて堪らなくて夏休み中ずっと家に帰らなかった…そのあいた期間で俺は夏南を過去にできた…だから…大丈夫。夏南をよろしくね」 「夏南はまだお前のことが好きだよ」 「…ごめんね。それでも…俺は夏南とのことは過去にしてるから…そんなの言われても困るんだ。琢磨…夏南のこと同情とかじゃないんでしょ?心から夏南という一人の人が好きなんでしょ?」 「当然だ」 「それなら…夏南を支えてあげて…俺の分まで…お願い…夏南を…幸せにして?俺は大丈夫だから…夏南を…」 「…」 「よろしくね。じゃあ。俺は帰るね」 琢磨の家のドアが閉まり息をはいた…これでいい。 俺より琢磨の方がずっとずっと夏南を思い大切にしてくれるから。 琢磨の瞳がそう伝えてきた。だから…大好きな友人だから… 「琢磨…夏南と…幸せになって…」

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