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第133話
冷蔵庫は開けなかったから気づかなかったけど大きなそれの中に沢山の料理が入ってた。
「これ…」
「私と瑠璃ちゃんで準備したの。まぁ。プロの瑪瑙からしたらそんなにかもしれないけど。嬉しいじゃない?大切なお友達とその子供さんと家族になれるのだもの。だから張り切っちゃった」
少女みたいに笑う瑠璃さんの笑顔はやっぱりめのさんと似てた
「俺も手伝います」
「俺もっ!」
「夏南はおとなしくしてなさい。俺が行くから」
「えぇ!!」
「だぁめ。」
「わかった…」
夏南は料理はできるけどそこに至るまで結構やらかすのだ。
せっかくできたものをひっくり返したりね
それは今も変わらないみたい。
琢磨との仲も相変わらず良好で今日は子供たちは琢磨のお義父さんのところにいってるそうだ。
何でもキッズモデルなんかしてるらしい
琢磨はあまり良い顔はしてないけど本人たちがやりたいうちはやらせてやろうと見守っているようだ
「あ。俺手伝います」
「俺もぉ」
さなえくんと美空くんが声をあげた
茜くんとさなえくんは学生結婚し既に子供が3人いて今日はご両親が見ていてくれているそうだ。
芙蓉さんと美空くんはまだ2人きりを楽しみたいと新婚生活を甘く過ごしているらしい
関わってきた人たちがみなこうしてここに集まり幸せを届けてくれる…
自分に起こったこと…、辛かったことも苦しかったことも全てこのためだったのだと思うと感慨深いものがある。
俺もみんなに続けるよう愛しい人と生きていこう…
「りとさん。準備整いましたよ」
「うん。今行く」
側に行きそっと手を握る。めのさんは嬉しそうに微笑んでくれた…
「めのさん。ありがと」
「こちらこそです」
そして楽しい宴が始まった
fin.
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