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最終話
「なぁ、俺を買うて?」
そう言うて兄ちゃんが潤んだ瞳で僕を見ていた。
「僕が兄ちゃんを買うん?」
そう聞くと、兄ちゃんはコクンと頷いた。
「もし、僕が買うたとして……どうするん?」
「月に1回、血を吸わしてくれたら何してもええから……できれば一緒におりたいなって」
そう言うた後、兄ちゃんはハッとして顔を赤くしながら慌て始めた。
「いや、あの、あれやで? 1人がええ時の為に部屋むっちゃある家やし、ご飯はおいしいもん食べたいやろうからなんとかするし、お金は気持ちやから……うん、むっちゃ大事にする」
必死にしゃべる兄ちゃんをガン見しとったら、チラッと見はった兄ちゃんと目が合う。
じっと数秒間見た後、兄ちゃんは自信なさげに目を逸らした。
僕は兄ちゃんとの生活を想像してみた。
朝、起きたら兄ちゃんがおって
兄ちゃんとご飯を食べて
兄ちゃんから襲われて
全て兄ちゃんに包まれる。
……めっちゃ幸せやなぁ。
「ええよ兄ちゃん。僕が兄ちゃんを買うたる……っていうより頂くね」
そう言うて僕はニコッと笑うた。
兄ちゃんはそれを見て、ふんわりと微笑んだ。
「俺、ほんまはLiam って言うねん。キオは?」
「米津希音 、よろしくお願いします」
そう言うて僕らは鼻をすりあった。
「汗かいたからもう1回風呂入ろ? それから家に連れてったる」
兄ちゃんはそう言うて僕の手を引き、起き上がらせた。
「また優しく洗ってくれる?」
僕の惚けた顔にカアッと赤くなる兄ちゃん。
「は、早くせんと夜が明けてまうから行くで!」
そう言うて引っ張っていく兄ちゃんに僕は嬉しそうについていき、浴室へ向かった。
To be continued……?
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