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第6話

嫌々ながらに気付いたら馬鹿校の南元春を筆頭とするトップの一員になってしまった訳だが。朝、下駄箱に入れられていた明らかに幼児向けのハ●ーキティの便箋。それには "会議のため集合!"と簡潔に日時が綴られていた。 亜澄に引きずられる様に指定の場所へ連れて行かれれば、中には以前の先輩三人に加え、もう一人三年生と思わしき人物が神妙な面持ちで座していた。 「なんなんスか一体。」 これには亜澄でさえもぽけ、と間の抜けた表情を晒している。 「まあまあ、こたろー、座れ座れ。」 「イヤです。」 南先輩の妙に真面目な態度に鳥肌が立ち、即座に跳ね除けた瞬間。背後から例のぐるぐるメガネの鬼畜野郎に肩を叩かれる。 「す わ る♡」 「…チッ。」 仕方なく穴の空いたクソボロいソファに腰掛けると、これ見よがしに同じソファに亜澄までもが寄りかかってくる。邪魔だ。 「真面目な話しようとしたんだけど、気付いたか?2年が居ねえの。」 「もともと居ないんじゃないんスか?」 「いーるー!!」 南先輩の一変した駄々をこねる小児の如く態度に圧巻される。 それを見かねたのか隣から乙実先輩の声が割り入ってきた。 「居ンだよ。ここに居ないだけで。で、こたにはそいつを連れてきて欲しいんだけど。」 「は?」 「面白そうじゃない?」 亜澄の気楽な態度を目にした俺はさぞや苦い顔をしていたのだろう。

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