1 / 3
第1話
荒れた街の片隅に静かに、しかし一層荒々しく佇む高校ーーー。⿴⿻⿸高校。通称シバ校。
全校生徒がわずか60人程度の高校だ。
毎日抗争が耐えないと噂の、ひどく荒れた高校。
そこにはタチの悪いヤツら以外は決して立ち入らない。
「全く。今日も汚いな...。この高校は。」
静かな廊下に1人、一際背の高い男が校内を歩き辺りを見渡す
彼の名前は優仁。高校3年生。シバ校内では基本穏やかな性格をしている。
「ゆ、ゆーじ先輩!おはようございます!」
「あぁ、おはよう。今日もいい天気だな。...丁度良かった。」
男は窓の割れたガラスの破片を指差す
「そこの破片、片しておいてくれ。」
「は、はい!」
男は指示をするとすぐにその場を立ち去った
カツカツカツ…。
「ちょっとぉ〜!血まみれじゃないの!!」
廊下の奥から踵の高いピンヒールを履いた男が長い髪を靡かせながら早足で優仁の元へ歩いてく。
「...ちな。あぁ、ホントだ。気づかなかった。」
「気づかなかった、ですってぇ!?これだけ派手に飛び散ってたら気づかないことなんてないでしょ!?」
優仁に顔を近づけ睨みつける彼は智菜。2年生で、優仁の相棒であり高校の母的存在だ。
「全くもぉ〜!なんであんた達はいつもいつもこう、血まみれで学校に入ってくるワケ!?はぁ...。」
小言をボヤきながらもハンカチで優仁に付いた返り血を拭う
「すまない。助かる。」
そう言いうと2人は屋上へ続く階段を登る。
ともだちにシェアしよう!