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第3話

つばさが息を切らし屋上へ上がるなりその場の空気はピリピリと凍てつく 屋上にシバ校最強のメンバーが揃うとヤスが真っ先に口を開く 「おーっし。全員揃ったな?」 ケンは何が始まるのかと楽しそうにヤスを見る 「で?何するのぉ?」 「...これだ。」 ヤスはどこからともなく1冊のノートを出してくる 「なぁに?そのノート。」 智菜が問うとヤスは椅子に座り肘をつく 「これな。昨日旧校舎の方のボロ教室弄ってたら出てきた先輩らの交換ノートだ。」 ケンは顔を顰める。 「はぁ?こーかんのーとぉ?何それ。ダサッ。」 ケンの言葉を流すようにヤスは話を続ける。 「先輩がやってたんなら俺らもやるべきだよなぁ?ダイキ。」 ヤスは一番聞いていなさそうなダイキに話を振る 「ん?いいんじゃなーい?オレは喧嘩できればなんでもいいやー!」 ダイキは気軽に返事をする。するとつばさも兄がするならと同調する それに続くように別に構わないと皆が言っている中ケンだけが不貞腐れたような顔をしていた 「ケンはやんねーの?」 ヤスが問うとケンは目を合わそうとせずスマホに目を落とす 「だってー。ダサいし...。ペンとか握りたくないし面倒くさい。」 ヤスは仕方なさそうにため息を付くと皆の方に向き直る 「別に、やりたくないならそれでいいぞ。 ...つーわけだ、今日は俺が新しいノート買ってきて書く。とりあえず回す順番決めよーぜ。」 そのやり取りを見ていたケンは頬を膨らますと立ち上がりヤスの服の裾を掴む 「べ、別にやりたくないなんて言ってないじゃん!」 ヤスは呆れたような顔でケンを見る ケンは顔を上げるとヤスに向かって大声で言葉を放つ 「...ただ、それをやるメリット。」 「は?」 「だからさ、その交換ノート?をするメリット。何があるの?」 ヤスはその質問の答えを考えるとケンの頭にノートを乗せる 「強いていえば思い出作り?俺らの名前がこの紙切れでガッコーに残る。俺らの名前が歴代まで残る。っつーことだな。...それじゃぁ不満か?」 そう言うとヤスはケンに笑ってみせる 「...まぁ。そーいうことなら。やってあげてもいい。」 そう言うとケンはヤスの服の裾から手を離すと口角を少し上げる 「よーし。じゃ、順番決めっぞー!」 「はーい。」 そしてこの日からシバ校内で交換ノートが始まった。

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