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第1話
エアコンを効かせた部屋のベッドの下で、制服のまま向き合って座っている、イケメン花村ひずるとその恋人、堤なぎと。
ひずるの両手の中では、固く赤い不揃いの二本のぺニスを擦り合う、卑猥な音が鳴っている。
既に我慢も限界に達しているなぎとは、ひずるの息が自分と同じに上がるまで、今にも声になりそうな荒い息を必死で抑えて耐えている。
まもなくひずるの限界を知ると、なぎとはひずるに噛み付く寸前のキスでその息さえも止めて、もう前に引っ張り取って手に持っている大量のティッシュの中に、濡れて充血した先から一緒に一気にたぎる精子を射精した。
専業主婦のひずるの母親が下に居る日は、母親に気付かれないように声を殺し、物音ひとつ立てないようにひっそりと、お互いの熱を一緒に扱き合うだけのセックスで我慢する。
ひずるはなぎとの手のティッシュを取ると、なぎとの分まで指先をすぼめ残らずキレイに出しきってやった。
拳大ほどにも膨れた二人分の精子をぐるぐるに包んだティッシュは、机の下のゴミ箱をめがけてひずるの手によって投げ捨てられた。
ひずるの目の前でまだハアハアと肩を弾ませているなぎとと目が合う。
ひずるがなぎとの背中を両腕を伸ばし引き寄せると、なぎともまだ甘えて、ひずるの肩口に頬を乗せた。なぎとの坊主頭がひずるの頬に触る。
なぎとの耳下に首筋にチュッチュッとキスするひずる。
なぎとが「ふぅ…」と、小さく呼吸を整えてひずるの肩から頬を離すと、まだ火照って額に汗も残るひずるが、とても真面目な顔でなぎとを見つめていた。
なぎとは「ぶふっ」と、照れくさくて思わず笑ってしまう。
ひずるはすかさずお構いなしにまたキスする。
「っんン……、もう…」
とかしおらしくとりあえず言いながら、なぎともひずるの背中を抱きしめた。
ひずるの舌はすぐになぎとの唇を割って入る。
振り出しに戻るようにまた長いキスが始まった。なぎとも舌を絡ませて吸い上げられて繰り返し繰り返し、お互いの口端から涎が流れ落ちても、ひずるはなぎとへのキスを止めない。
そしてなぎとのぺニスがまた立ち上がると、その口は下へと降りて行く。ひずるは睨むようにじっとりとなぎとを見上げて見つめ、固くせり立つその先端だけをいやらしくわざと水音を鳴らし頬張った。
出したばかりだから二度めはさっきよりちょっと時間がかかるが、なぎとがもう一度射精するまで、ひずるは扱き舐めまわししゃぶり続けた。
せわしいはずのセックスは、キッチンで夕食の支度をするひずるの母親の動きが止まるまでイチャイチャと続いた。
夏休みだというのに、毎日登校日のひずるとなぎと。高校三年の二人には、お盆三日が入る週の七日間だけが唯一夏休みだ。
加えて進学志望のひずるには、八月に入るとすぐ一週間の勉強合宿が控えていた。
二年までは全生徒参加の勉強合宿だったが、三年になると進学志望の生徒と、就職公務員希望の生徒とでクラスも分けられた。
進学希望者達が合宿の間、就職希望の生徒達はフリー登校日になる。
つまり、ひずるが居ないその一週間は、登校するかしないかを、進学志望ではないなぎとは自由に決めることができるのだ。
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