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第2話『えっ、男????』
昼休み、僕は浮かれた気分で体育館倉庫に向かった。
(こ、ここにあの手紙をくれた子がいるんだ……)
ガラガラ……
「し、失礼しまぁす…………あれ、いない……?」
疑問を感じたその時、扉が勢いよくしまった。
「ぅわっ!?!?ななな何!?!?!?!?」
とっさ振り替えると、そこには可愛らしい女の子ではなく……
長身のイケメン男が立っていた。
「ぅぇえ!?!?僕、こんなイケメン知らない‼‼‼‼」
…なに言ってんの僕。
いや、確かに知らないけども。
そもそもこんなイケメンと知り合う機会なんてなかったし…。
「ふはっ…‼やっぱとおる君可愛い!」
更に混乱し始めちゃうぞ……。
僕のこと可愛いって!?
絶っ対誰かと間違えてる!
「あの、誰かと間違えてるんじゃないですか?」
「え、間違えるって?
俺が、他の奴と、とおる君を?
そんな事ありえないよ、
どれだけ俺がとおる君のこと見てきたと思ってるの?好きな物も、身長も、体重も、苦手な物も、癖も。ほら、」
そういってイケメンさんは紙の束を僕の前に出した。
「…………っこれ。全部、僕?」
「そう。いい写真ばかりでしょ?
まぁ、どんなアングルでも可愛いんだけどね」
な、な、何これ。僕今ヤバイ感じ????
弱み握ってるから言うこと聞け的な?
……弱み…心当たりないけど、
きっっと何かやらかしたんだ……泣。
「ぼ、ぼぼ僕にできることなら何でも言うこと聞くから、何か弱みとかアレなら……えっと
僕、ほんとに…なんでも………っお願いっっ‼‼」
僕は感情にまかせて思い切り頭を下げた。
おぉ、勢いつきすぎて頭フワッとした。
「そんな、頭上げて?俺はただ、とおる君と付き合いたいだけなんだよ?
それに写真の事なら誰にも見せないし…見せる気なんてさらさらないしね」
「ほんと!?
よか………………………………………………
っえぇぇぇぇ!?!?!?!何で僕!?!?無理だよ‼」
「え、付き合って……くれないの?」
ゾワッ。
なんだろ、今の。イケメンさんの目が怖かった気がする…………気のせい?
「ねぇ、付き合ってくれないの?」
(え、え、え、
イケメンさん泣きそう……ど、どうしよう)
……僕は人に泣かれるのが一番苦手なのだ。
涙目になった彼を見て、僕の口は勝手に動いていた。
「ぼ、僕なんかでいいなら……」
「ありがとう!大好きだよとおる君。」
ほ、ほ、ほ、ほっぺにちゅーされた‼‼‼
……人性初ちゅー。
(僕、これからどうなっちゃうの!!??)
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