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2 ーFirstー
「ってことがあったんだよ!
翔太(ショウタ)、聞いてる!?」
金曜日のとある夜、つい居酒屋で大声になってしまった。
話を聞いてほしいのにマイペースにオーダーしてる翔太は、俺を見ずに適当に相槌を打つ。
「あーはいはい。
瑞希(ミズキ)は社会人になっても夏にはなんかあんだなー。」
注文したビールをゴクリと飲みながら、ゆったりと翔太は言った。
高校からの付き合いで、昔はたまにしか遊ばなかったが今では週一で飲みに行く飲み友だ。
しかも、急な呼び出しでも話を聞いてくれるイイヤツ。
「お前はほんと変わんねーな。」
ニヤリ、と笑う顔が妙にかっこよく見える。
さすがイケメン。
サラサラそうに見える髪はワックスでカッチリとまとめ、切れ長の目も雰囲気に合っている。程よくついた筋肉のおかげでYシャツをまくった腕さえもかっこいい。
しかも今日はなんかご機嫌だ。
ニヤニヤしてる顔も、ふしぎなことに顔面偏差値が高い奴だと気持ち悪く見えない。
それに比べ俺は…といつも思ってしまう。
背だってそんなに高くないし、筋肉だって付きにくいから腕をまくったところでかっこよくは見えない。
目は無駄にデカいし、健康的な色黒さもない。
なんてゆーか、こう…貧弱に見える。
「そんなに俺の不幸が楽しいかよ」
ビールを煽りながら半ばヤケ気味に聞くと、クックッと喉を鳴らし笑う。
「ちげーよ。瑞希の顔が面白いだけだ。」
…黙ってればイイヤツなのに、昔から本当にこーゆーとこは嫌なヤツだ。
もういい!
こーなったらとことん聞いてもらおう!と意気込み、ビールを煽った。
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