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あの後俺は駅員室に連れていかれ、どうしたのか聞かれた。
急に人がしゃがんでたんだ。
誰だって駅員さんに声かけていくだろう。
痴漢のことを正直に話そうか迷ったが、話せなかった。
やっぱり会社に広まるのが怖いし、自意識過剰だって思われて信じてもらえないんじゃないかって思いの方が強かった。
会社にはちゃんと行こうとは決めていた。
仕事は約束事だからできるだけきちんと全うしたい。
それに働いてればきっとこの感じもなくなるんじゃないか、とも。
そう、朝は思っていたはずなのに。
一日仕事したものの、一度知ってしまった恐怖はなかなか消えることなかった。
何をしてても耳元で聞こえるような息遣いも、気持ち悪く肌を這うような手の感覚も、なにひとつ消えてくれずに時間はどんどん過ぎていった。
昼頃、お昼頃翔太から連絡あったけど今日だけは夜会いたくなくて断った。
こんなウジウジした気持ちのまんまで会ったって楽しくないし、なんか全身気持ち悪いし。
そんなことを考え続けていたら、帰れるようになっていた。
帰るのが嫌で残業したかったのに、(と言っても今日初めて思ったことだが)サクサク仕事は終わってしまい、定時をまあまあ過ぎたくらいで仕事は終わってしまった。
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