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本当は、めっちゃ怖い。
怖くて逃げたくて、どうしようもないくらい嫌だけど。
でもそんなことしたら、絶対毎日がつまんなくなる。
飲み行くのも嫌になって行けなくなるかもだし、今度されたらへこみすぎて仕事行けなくなるかもってのも余裕で考えられる。
だから…だから。
「わかった。
俺もやる」
「…へ?
えええええええ!?!?」
理解するのにちょっと遅れたけど。
翔太の一言で回ってた酔いもいっぺんに覚めた。
てか、何言っちゃうのこのコ。
「あ、危ない、かもよ?」
「それは瑞希もだろ」
「来ないかもよ?」
「そしたらラッキーじゃん。
なに?
やなの?」
知らない間に震えてガチガチになってた手を、翔太は上からそっと包んでくれた。
俺のことをすごく心配そうに。
でもそれも一瞬。
「瑞希が泣いたら写メって拡散するくらいやっとくから、安心して無茶しとけ」
俺が知ってるいつものニヤニヤ顔でそういうと、ビール缶を片手にとった。
「…うーわ。
ぜってえ撮らせないから大丈夫。」
ふはっと笑えて、強ばってた体から力が抜けた。
お互い缶を持ち、軽く当てる。
嫌で気持ちが重かったのに、翔太のおかげで今は少し気持ちが楽になれた気がした。
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