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「正真」25
本館の一階にある広い職員室は、入るのにも気が滅入りそうになるほど威圧感があった。多分、圧倒的に男性教師が多いことも理由の一つかもしれない。
僕は声をかけて職員室に入るも、見たことのない教師も多く困惑してしまう。
「誰か探しているのかい?」
立ち尽くしている僕に不審に思ったのか、ドア付近にいた白髪混じりの男性教師が優しく声をかけてきた。
「パズル同好会の顧問の先生を探しているのですが……」
僕がそういうと少しだけ驚いた顔をした後、すぐに柔和な表情に戻った。
「あぁ、それなら美術部の門屋先生だなぁ。君はパズル同好会のメンバーかい?」
「まだ入部届けは出していませんが、入部する予定です」
「神近くん……だったかな? 彼とは知り合いなの?」
どこか探るような声音に、僕は後輩が言っていた言葉を思い出す。
「はい。神近くんに誘われて入るので」
僕が言い切ると案の定、驚いたように目を見開いた。その反応に、僕は苦い気持ちが込み上げてしまう。
「門屋先生はどちらに?」
僕は早くこの場から立ち去ろうと、呆気に取られている教師を促す。
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