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「訪問」6

 やっぱり僕の予想通りだったのだとホッと息を吐いた時、不意にインターホンが鳴り響く。  僕は振り返ると、斜め上に備え付けられていたインターホンのモニターに視線を向ける。そこには訪問者らしき人が映っていない。見えるのは鉄の柵と、その先の開けた景色だけだ。 「えっ……」  僕が驚いて凝視していると、神近くんが立ち上がった。モニターを見るなり唇に人差し指を当て、僕を険しい顔つきで見つめる。明らかに普通じゃない雰囲気だ。再びインターホンが鳴り、僕はヒッと小さく悲鳴をあげる。  恐る恐る覗き込むも、やはりモニターには何も映ってない。  これはまさかの心霊現象なのだろうか。神近くんは怯える僕の腕を引くと、立ち上がらせた。  何をするつもりか分からなかったけど、ここはプロに任せた方が良い。僕は震える足取りで立ち上がると、促されるようにベッドに腰掛ける。  再び鳴るインターホン。鳴ってなくても鳴っているような幻聴まで引き起こされそうな音に、僕は血の気が引いていく。  神近くんは僕を正面から見据えると「暴れないでください」と囁くなり、僕をベッドに押し倒す。暴れるも何も僕は恐怖からか、金縛りにあったように動けなくなっていた。

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