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「嫉妬」28

 「……っ、わかった。ずっと、神近くんと一緒にいる」  きっと神近くんは、心に何らかのわだかまりがあるのだろう。  今後も付き合っていくのなら、全てを受け入れるぐらいじゃないと僕たちの関係はきっと直ぐにでも終わりを迎えてしまうのかもしれない。それならば好きになった以上は、神近くんを支えてあげたかった。 「本当ですか?」 「うん。本当だよ」 「先輩、分かりやすいですからね。嘘だったらすぐに分かりますよ」  やっと戒めが解かれ、僕はホッと息を吐く。  再び抽送が始まり襲い来る圧迫感に、僕は休む暇なく息を詰める。 「あぁっ、やっ……」  さっきよりもハイペースな動きに僕はギュッとシーツを握り、快楽に悶えた。まさか挿れられる側に回るとは思っても見なかったけれど、想像以上の快楽に驚かされてしまう。 「先輩……そろそろ、ヤバそうです」  神近くんの手が僕のモノに触れると、今度はゆるゆると上下に擦られていく。  最初の時の遠慮などなかったかの様に神近くんは腰を突き上げ、僕は全身に襲い来る快楽の波に耐えきれずそのまま吐精してしまう。 「っん、あっ……ッ」  ヒクヒクと体が震え、快楽に全身がどんよりと重たくなった。神近くんも達したようで僕の背後で荒い呼吸を繰り返していく。  マラソンを走った後のような疲労感に、ぐったりとしていると神近くんが腰を引いた。 「ああっ……」  僕が小さく嬌声を上げると「先輩。エロいですね」と言いつつ、神近くんは手早く処理するとゴムの口を縛ってゴミ箱に投げ捨てる。僕はその手慣れた雰囲気に、モヤッとした気持ちが沸き上がってしまう。

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