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「計画」2
「遠出になるので、最低でも一泊は向こうで過ごす事になります……どうしますか?」
浮かない表情の神近くんは、どこか青ざめているようにも見える。神近くんは実家の話をする時、いつもどこか思いつめた顔をして口数が減っていた。
こっちに一人で来たのも、何か家族間の問題でもあるのかもしれない。
「神近くんは大丈夫なの?」
「……何がですか」
「あんまり実家に帰りたくなさそうだから」
神近くんは「そうも言ってられませんから」と言って、決まり悪そうな顔をした。
「……先輩の方は予定開けられますか? 確か家族で帰省するんですよね?」
「来週の金曜日から行くよ。それ以外は大丈夫かな」
「分かりました。早い方がいいと思うので、実家に連絡しておきます。先輩の家族にはどこまで話すかは任せますが、俺の家に行く旨は伝えておいてください」
僕は分かったと言って頷く。それにしても緊張で強張っている僕以上に、神近くんの方が辛そうで顔を顰めている。
どの家庭も平和的で、上手くいっているとまでは流石に思わない。でも神近くんがどうしてそんなに、帰省に対して消極的なのか気にはなってしまう。
「それからーー」
神近くんは一旦口を閉ざすと、ベッドに付いていた僕の手に手のひらを重ね合わせた。冷たい手の感触に驚いて、僅かに体が跳ね上がる。
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